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燃えよ万平

~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~

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俺は用心棒 第25話 めおとの風

第25話 めおとの風 (監督: 河野寿一)

ご時勢で自らの進む道を定めなければならず慌てる各藩、まずは金が必要と領民から用立てようとする。 とある藩の郡代・大倉潮左ヱ門 (穂高稔) も、領内の庄屋・文左ヱ門 (沢村宗之助) を訪ねて金を要求する。 文左ヱ門は、懇意の役人・犬塚洋平 (織本順吉) と相談し、拠出金を少なく済ませるため、手伝いに来ていた茶屋の女房・おしん (柳川慶子) を郡代の 「接待役」 として差し出すことにする。 

***************
【所感】
総司はお休み、野良犬&万平だんなの活躍。
おしんと利助 (田浦正己) が営む 「めおと茶屋」 で甘酒や漬物を褒めながら、仲むつまじい若夫婦を優しい目で見る万平だんな。 野良犬のだんなまで、出された酒の感想を聞かれて 「地酒にしては珍しく甘いな」 なんて言っていて、ほのぼのムード。 美人の女房が夜になっても庄屋屋敷から帰らないのに、万平だんなに 「郡代の夜の相手に選ばれないとも限らん」 と言われるまで、全く危機を感じない利助、ちょっとボケ?と思ったけど、彼らの日常ではそれが普通なのか。 庄屋がそんな鬼のようなことを考えていようとは夢にも思わない。
野良犬のだんなの助けで難を逃れ、逃走資金まで用意してもらい、新天地へ旅立つ夫婦。 万平&野良犬が 「うまくいったな」 と笑みを交わしてハッピーエンド……にはならないのね、やっぱり。 ひどいよ、結束先生…… (T_T) なぜ夫婦は命を落とさなければならなかったのか。 その方が2人にとって幸せだったという結論のもと、強引に解釈すれば、大きく変わっていく時代の中で、これまでのように世の中の流れとは無縁のまま、細々と茶店を営んで生きていくのは難しい。 とすれば、新しい土地での生活に希望を抱いている今が、夫婦にとって最上の時……ということなんだろうか。 でも、やっぱり悲しすぎるエンディングだった。

話のタネにめおと茶屋名物の甘酒を飲んだ万平だんなの 「うん、技あり!」、「1本取ってもいい」 との褒め言葉に、きょとんとしている利助が可愛い。 うん、確かにいきなり言われても何だかわからんだろうなぁ (笑)。
庄屋屋敷に乗り込んだ野良犬のだんな、「俺は茶店の店番だ」 との名乗り。
……って、店にいないじゃないのよ (^^;) この台詞を、いつもの調子で平然と言うあたりがステキ。 あの風体で茶店とか言ってるだけでも笑える。 万平だんなは、そんな野良のだんなを評して 「あのだんな、取引きには慣れている。 人間離れしておる。 なにしろ野良犬だからな」。 庄屋の女房を人質に取り、「二足三文で売り飛ばすぞ」 と言って100両せしめたことなら、あれは取引きではなく 「脅し」 と言うのではないかと……(^^;)

庄屋の言葉として語られる 「お上が将軍様だろうが天朝様だろうが、どっちだっていい」 が象徴的。 茶店の夫婦にとっても、それは同じだったろう。

ゲスト: 田浦正己/利助、織本順吉/犬塚洋平、穂高稔/大倉潮左ヱ門、脇中昭夫/宮下勘助、北見唯一/茶店の客、沢村宗之助/文左ヱ門、菅井きん/おこん (文左ヱ門の女房)、柳川慶子/おしん

*敬称は略させていただいています。
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