燃えよ万平
~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~
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銭形平次 第726話 命を賭けた訴え
(脚本: 高橋稔、監督: 岡本静夫)
表向きは口入屋を営みながら、「江戸中の半分の犯罪は後ろに山城屋がいる」 と言われる山城屋藤兵ヱ (菅貫太郎)。 その裏の顔を暴いてやると燃える青柳は、平次の心配をよそに山城屋を引っ立てて問いただすが、証拠はなく、集めた証人たちも仕返しを恐れて証言せず、結局は解き放す始末。 昔、山城屋のせいで店ののれんを取られた仙右ヱ門 (増田順司) は、自分が握っている山城屋の悪事の証拠を渡すから必ず捕まえてくれ、と万七に持ちかける。
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【所感】
さすがは菅貫、半端なワルじゃない。 半分と言わず、江戸のすべての犯罪の裏に山城屋が……と言ってほしいくらいだ (笑)。 いかにもっていう悪人顔じゃないところが、逆に悪としての大きさを感じさせる。 青柳が店に乗り込むシーンで 「若僧が……」 とつぶやく姿が、もうステキすぎて★
仙右ヱ門が言った 「悪事の証拠」 は、藤兵ヱを自らの殺人犯に仕立て上げることだったのだが、いきなり目の前に現れて自害する仙右ヱ門の姿に訳がわからない様子も、いい感じだった。 もちろん奉行所に連れて行かれても、やっていないものはやっていない。 ここでも大げさに取り乱すことなく、落ち着いたもの。 かっこいいねぇ。
熱血・青柳が突っ走って引っ立てた時と、仙右ヱ門殺しの濡れ衣で捕まった時、2回とも解き放ちになって奉行所を出たところには平次の姿が。 2人のアップが交互に映り、目で会話するシーンは画面に釘付け (笑)。 特に2回目は、平次が真犯人を捕えたおかげで出られたので、「助けてくれたんだってな」 などと言うが、もちろんそうじゃない。 「お前を本当の罪でお縄にするためだ」 と言い切る平次、本当の戦いはこれから。 ここでの菅貫、独特の 「ははぁ…」 笑いも出て、最高にかっこよかった。
そんな藤兵ヱだが、最後には平次の罠にまんまとはまり、任務を終えて帰ってきた子分が、障子の外で十手を突きつけられているとは知らずに、「俺の言った通りにしたんだな」、「お千代をバラして山の中に埋めたんだな」 と自ら罪を告白してしまう大失態 (--;) 大立ち回りで抵抗した甲斐もなく、お縄になってしまう。 ……何だか菅貫が演じる悪役って、こういうの (最後がちとマヌケ) が多いと思うのは私だけだろうか。 とは言え、その結末に気付いた瞬間、静かに動揺する菅貫が、またたまらなく良かったりするのだけど (笑)。
今日の万七&清吉も楽しかった。 青柳の指示で山城屋の賭場に手入れしたものの、結局は山城屋を解き放すことになり、2人は屋台のおでん屋でやけ酒を飲む。 そこへ仙右ヱ門がやってきて、悪事の証拠を渡すと持ちかけたのだが、当然のことながら万七は大興奮。 翌日、ひょうたんで会った平次に 「銭形、おめぇ昨夜はここに来たのかい」 などと言いながら、にやにや。 それに続いて 「へへへ、運命の分かれ道♪」 と勝ち誇る清吉がナイス。 仙右ヱ門殺しの下手人として藤兵ヱを捕えた万七の手柄は江戸中の評判に。 清吉、上機嫌の万七を見ながら 「手柄を立てて、世間に喜ばれて。 初めての快感。 しびれるね」 と、こちらも嬉しそう (笑)。 おいおい、いくら何でも初めてじゃなかろうに……(^^;)
こうして、ベタベタなんだけど思わず笑ってしまう清吉のひと言が、実は一番の楽しみだったりする。
ゲスト: 沢井桃子/お千代、小野川公次郎/直吉 (魚屋、お千代の彼氏)、有川正治/栄五郎 (山城屋の番頭)、阿波地大輔/丑松、吉田良全/おでん屋、酒井努/勘助、増田順司/仙右ヱ門、菅貫太郎/山城屋藤兵ヱ
*敬称は略させていただいています。