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燃えよ万平

~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~

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銭形平次 第726話 命を賭けた訴え

第726話 命を賭けた訴え
 (脚本: 高橋稔、監督: 岡本静夫)

表向きは口入屋を営みながら、「江戸中の半分の犯罪は後ろに山城屋がいる」 と言われる山城屋藤兵ヱ (菅貫太郎)。 その裏の顔を暴いてやると燃える青柳は、平次の心配をよそに山城屋を引っ立てて問いただすが、証拠はなく、集めた証人たちも仕返しを恐れて証言せず、結局は解き放す始末。 昔、山城屋のせいで店ののれんを取られた仙右ヱ門 (増田順司) は、自分が握っている山城屋の悪事の証拠を渡すから必ず捕まえてくれ、と万七に持ちかける。

***************
【所感】
さすがは菅貫、半端なワルじゃない。 半分と言わず、江戸のすべての犯罪の裏に山城屋が……と言ってほしいくらいだ (笑)。 いかにもっていう悪人顔じゃないところが、逆に悪としての大きさを感じさせる。 青柳が店に乗り込むシーンで 「若僧が……」 とつぶやく姿が、もうステキすぎて★
仙右ヱ門が言った 「悪事の証拠」 は、藤兵ヱを自らの殺人犯に仕立て上げることだったのだが、いきなり目の前に現れて自害する仙右ヱ門の姿に訳がわからない様子も、いい感じだった。 もちろん奉行所に連れて行かれても、やっていないものはやっていない。 ここでも大げさに取り乱すことなく、落ち着いたもの。 かっこいいねぇ。
熱血・青柳が突っ走って引っ立てた時と、仙右ヱ門殺しの濡れ衣で捕まった時、2回とも解き放ちになって奉行所を出たところには平次の姿が。 2人のアップが交互に映り、目で会話するシーンは画面に釘付け (笑)。 特に2回目は、平次が真犯人を捕えたおかげで出られたので、「助けてくれたんだってな」 などと言うが、もちろんそうじゃない。 「お前を本当の罪でお縄にするためだ」 と言い切る平次、本当の戦いはこれから。 ここでの菅貫、独特の 「ははぁ…」 笑いも出て、最高にかっこよかった。
そんな藤兵ヱだが、最後には平次の罠にまんまとはまり、任務を終えて帰ってきた子分が、障子の外で十手を突きつけられているとは知らずに、「俺の言った通りにしたんだな」、「お千代をバラして山の中に埋めたんだな」 と自ら罪を告白してしまう大失態 (--;) 大立ち回りで抵抗した甲斐もなく、お縄になってしまう。 ……何だか菅貫が演じる悪役って、こういうの (最後がちとマヌケ) が多いと思うのは私だけだろうか。 とは言え、その結末に気付いた瞬間、静かに動揺する菅貫が、またたまらなく良かったりするのだけど (笑)。
 
Yamashiro-ya_1.jpg
奉行所から出てくると、そこには平次の姿が……。
 

今日の万七&清吉も楽しかった。 青柳の指示で山城屋の賭場に手入れしたものの、結局は山城屋を解き放すことになり、2人は屋台のおでん屋でやけ酒を飲む。 そこへ仙右ヱ門がやってきて、悪事の証拠を渡すと持ちかけたのだが、当然のことながら万七は大興奮。 翌日、ひょうたんで会った平次に 「銭形、おめぇ昨夜はここに来たのかい」 などと言いながら、にやにや。 それに続いて 「へへへ、運命の分かれ道♪」 と勝ち誇る清吉がナイス。 仙右ヱ門殺しの下手人として藤兵ヱを捕えた万七の手柄は江戸中の評判に。 清吉、上機嫌の万七を見ながら 「手柄を立てて、世間に喜ばれて。 初めての快感。 しびれるね」 と、こちらも嬉しそう (笑)。 おいおい、いくら何でも初めてじゃなかろうに……(^^;) 
こうして、ベタベタなんだけど思わず笑ってしまう清吉のひと言が、実は一番の楽しみだったりする。

ゲスト: 沢井桃子/お千代、小野川公次郎/直吉 (魚屋、お千代の彼氏)、有川正治/栄五郎 (山城屋の番頭)、阿波地大輔/丑松、吉田良全/おでん屋、酒井努/勘助、増田順司/仙右ヱ門、菅貫太郎/山城屋藤兵ヱ

*敬称は略させていただいています。

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銭形平次 第725話 裏をあばけ

第725話 裏をあばけ  (脚本: 迫間健、監督: 黒田義之)

平次や万七、新堀の甚左 (左右田一平) ら岡っ引きは、奉行所からの達しで、江戸の町に蔓延する阿片の取り締まり強化にあたる。 見回りの途中、船着場で荷降ろしをする万蔵 (田口計)、仙太 (西園寺章雄) らを怪しんだ甚左は、反抗的な態度の万蔵をしょっ引き、番屋にひと晩留め置く。 その夜、荷を運び込んだ蔵の中で、万蔵たちの親方・四郎兵ヱ (永野辰弥) が殺され、そばには血のついた匕首を握った人足、伍一 (住吉道博) の姿があった……。

***************
【所感】 
寄場帰りだが今は真面目に立ち直ろうとしている伍一に目をかけていた平次は、事件の裏に何かあると感じ、伍一の無実を証明しようと捜査を続ける。 レギュラーではない甚左が、やたらと平次の周りに姿を見せるのに、ちと違和感あり。 ……ま、ゲストが岡っ引きの場合、たいてい悪事に絡んでいるもので、展開は予想通り。 左右田さんゲストってことで、とっても楽しみにしていたんだけど、小さいヤツだったな、甚左……。 左右田さんがもったいないって感じだった。 ワル仲間の万蔵に、「銭形には気をつけた方がいい、油断するな」 と注意している割には、ちょっと平次がカマかけただけで、「なにぃ~っ」 と大仰に反応しちゃったりして、それじゃ何かあるのがバレバレだよ (^^;) アヘンの密輸・密売の仲間である 「由の家」 のおかみ・お由 (行友勝江) は万蔵とできてるように見えたんだが、ラストで平次が甚左に向かって 「十手持ちが女にたぶらかされて悪事に加担とはな」 と言っていた。 ますます小さいヤツになってしまったよ…… (T_T)

伍一は、自分の過去を知った上で励まし、仕事を紹介してくれた仙太が、目の前で自分に不利な嘘の証言をしたにもかかわらず、「ここのところ変だったから、きっと病気 (実はアヘン中毒) のせいに違いない」 と、全く責めたり恨んだりしない。 「人のいいのもいい加減にしろ」 と平次に呆れられるほどの 「いいヤツ」 だが、それが全くイヤミに感じられず、純粋さもうまく出ているあたり、住吉道博の好演が光る。

相変わらず見ていて楽しいのは万七&清吉で、今回もコント満載 (笑)。 蔵から伍一の声が聞こえたので、まずは並んでいるうちのどれから聞こえたのか、清吉がひとつひとつ中の様子をうかがう。 「ここ」 と示すと、万七は 「じゃあ、入れ」 と十手で指示。 「いや、親分から」、「いや、お前から」 などとやりあった末、「じゃあ一緒に」 と踏み込む。 伍一を捕えて大手柄 (のはずだった)、翌日、上機嫌の万七に呆れたように 「ちょいまぐ」 と清吉。 なんだ、そりゃ? 「ちょっとしたまぐれってことですよ」 だって。 いまどきの若者の略語かと感心してしまったよ (笑)。 最初に奉行所からアヘンの取り締まり強化のお達しが出たと聞くシーンでは、「とにかく歩いてみる」 という甚左の言葉に、「歩け歩け……か。 ぞっとしねぇな。 銭形、おれぁ降りるぜ」 なんて言ってる万七には驚いたんだけど (お上から言われたってのに、そんな勝手な……)、それを聞いた平次が、あっさり 「そうか」 なんて受けたのにもびっくり。 結局は 「お前なら何かつかむだろうと思っていたんだがな」 との言葉に、まんまとのせられて動くことに。 清吉、「単純なんだから」 と一言。 毎度のこととは言え、思わず笑ってしまうセリフだ。 池信一、やっぱり最高!

*敬称は略させていただいています。

銭形平次 第672話 万七、恐怖の三日間

第627話 万七、恐怖の三日間
 (脚本: 中村勝行、監督: 岡本静夫)

祝い事に招待され、めかしこんで出かけた万七。 帰り道に廻船問屋・渡海屋の前に合口の鞘が落ちているのを見つける。 不審に思い、渡海屋の戸を叩いて入ってみると、お手配者の盗賊・矢切の辰蔵 (菅貫太郎) 一味が押し込んでいた。 渡海屋の船で異国に逃亡しようという辰蔵は、主人 (増田順司) らを人質にして、長崎に行っていて3日後に江戸に戻るという船を待っているのだった。 万七は、辰蔵の昔の女・お新 (水原麻記) を探すために解き放たれるが、お新の行方はわからない。 様子がおかしいと心配する平次たちに事情を話すこともできず、渡海屋に戻って、辰蔵に時間をくれるよう頼む万七。 が、その時、八五郎とともに万七を見張り、渡海屋に押し込みが入っていることに気付いた青柳は、渡海屋に乗り込もうと戸を叩いてしまう……。

***************
【所感】
タイトルがステキな上に、メインゲストは菅貫! 素通りできるはずがない (笑)。
めかしこんだ万七を、清吉やおちか、お町がおだてるオープニングから笑わせてくれるが、「お似合いよ、おっかさん」 なんて言われて、まんざらでもない様子のおちかさんに、ちょっとびっくり……。 そうだったの?

タイトルの通り、万七は見せ場が多い。 人質のため、1人で懸命にお新を探し歩くが見つからず、どうしたもんか……と、大きな樽にもたれかかって悩むシーンや、船に行くまでの間、盾にするために人質を連れて行くという辰蔵に、「盾にするなら俺1人でいいだろう。 ほかの人質は解き放してやってくれよ~」 と、駄々をこねるように訴えるシーン (ホントなら、いいぞ万七! かっこいいぞ!というところなんだけど……。 ついつい笑ってしまう) など、万七らしさがよく出ていた。

もちろん、ゲストの菅貫も負けちゃいない。 最初は、手下どもが荒っぽいことをしようとするのを止めたり、冷静さを見せているのが、青柳の来訪で万七が裏切った (?) と思った途端に凶暴さを見せる。 そのキレっぷりは見事なもので、さすが菅貫という感じ。 ……かと思えば、乗り込もうとする船の船頭が実は平次の変装と気付かないばかりか、この船には自分以外に5人しか乗れない、と言われて、「5人じゃ、しょうがねぇな」 と、妙に素直にその言葉を信じてしまうあたり、あぁ、菅貫だなぁ……って感じ。 しょうがねぇのは、あんただよ (笑)。 キレ者のくせに、あっさりと罠にはまってしまうというキャラクターは、菅貫によく合っていると思う。

で、にせ船頭 = 平次が正体を現した時、辰蔵が本気で驚いているのには、 「さっき、面と向かって話したばっかりなんだから、声で気付けよ……」 と突っ込みを入れたくなるんだが、平次の後ろで万七が 「ぜにがたぁ~っ」 と泣きそうになっているのが傑作。 あんたも気付いてなかったのかい……(--;)

辰蔵と一味は捕えられ、事件は無事に解決。 青柳は早まった決断を下そうとした自分に反省し、「なんていうか……、親分には敵わないな……」 と、素直に告白。 いやいや、あっしだって成功するかどうかわからなかった……とか何とか盛り上がる4人 (平次、八五郎、青柳&清吉)。 おーい、誰か忘れてやしないかぁー?
しばらくして、きょろきょろし始める清吉。 「ところで、うちの親分は?」 と言われて、やっと万七のことを思い出す平次たち。 手を縛られたままの万七は、流された船の上から助けを求めていたのだった。 で、結局、青柳のだんなが泳いで助けに行くことに (八も清吉もカナヅチなので)。 タイトルに名前が入っているにも関わらず、船の上で 「だんなぁ~、早くしてくださいよ~」 と叫んでいる姿がエンディングだなんて……。 さすがは万七親分である。

銭形平次 第521話 平次一番勝負

第521話 平次一番勝負 (脚本: 野上龍雄、監督: 井沢雅彦)

八五郎は、万七との将棋に勝てなかった悔しさから、将棋に強いという六助 (汐路章) に弟子入りしようと訪ねる。 将棋に集中する六助には話を聞いてもらうこともできなかったが、代わりに六助の娘・おみよ (高田瞳) が教えてくれることになって大喜び。 が、それもつかの間、おみよは何者かに殺害されてしまう。 血文字で謎の言葉 「ろく」 を書き残したおみよの無念を晴らすと誓う八。 だが、今度は六助が首を括って死んでいるのが見つかる。 おみよが殺された日、六助が真砂屋庄兵ヱ (北原義郎) の出資で賭け将棋をしており、六助が死んだのは勝負に負けたからに違いないと聞いた平次は、その相手、岡嶋算哲 (菅貫太郎) を訪ねる。 医者の看板を掲げながら、「本職は賭け将棋」 と言い切る算哲は、六助との勝負も最初から自分が優勢だったと話すが、その勝負の指し手を見た棋士の天野宗歩 (真部一男) から、1日目の封じ手で、既に六助が勝ったも同然だったと聞いた平次は、真砂屋を通して、自ら算哲に千両の賭け将棋を申し込む。

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【所感】
長いと思っていたGWも今日で終わり。 連休最後の夜は、名作劇場で締めようということで選ばれたのが、これ。 何と言っても、六助 = 汐路章の名演が光る1本。 将棋を教えてもらおうと八五郎が訪ねた際、その気配に全く気付かず、将棋盤とにらめっこしているのだが、閉じた口の下唇だけをモゴモゴさせる細かい芝居、そして、銀将の駒を手に 「泣いてる……。 銀が泣いてる……」 とつぶやく。 それを聞いて、「珍しいですね、この駒、泣くんですか?」 などと言いながら、駒を耳に当ててみる八 (おバカなんだから、もう…)。 が、それにも全く答えず、「この銀が泣いてる!」 と、駒で盤を叩く……という、ほんの短いシーン。 これだけで、この話は我が家では名作と呼ばれてしまう (笑)。 六助がどれほど将棋が好きで入り込んでしまっているのか、わかりすぎるほどわかるし、ちょっと妖怪っぽい汐路章を楽しめるところもポイント。 この後は、真砂屋の回想で喋るシーンがあるだけ……と、出番は少ないのだが、印象は非常に強い。 やはり、ただ者ではない。
ちなみに、回想シーンでは、娘に嫁入り道具を揃えてやるために金が欲しい、と真砂屋に賭け将棋への出資を頼む際、「あっしの目を見ておくんなさい」 と顔を上げる → アップになる。 …怖いです (^^;) そりゃ、真砂屋も承知するしかなかろう。

賭け将棋プロの算哲、平次の申し入れを罠ではないか……と怪しむところまではよかったのにね。 手下の菊之助 (平野康) に押し切られちゃったのが運のつき。 平次がお静を使いに出すのを聞いて (これが本当の罠だったのにねー)、「ほぅ……」 という感じで、にんまりと企み笑顔のアップがステキすぎ。

天野宗歩 (そうふ) を演じた真部一男は、プロ棋士。 当時は五段で、「将棋会のプリンス」 と呼ばれていたそうだが、昨年、亡くなられたとのこと。 天野宗歩というのも、幕末に実在した棋士なのだそうだ。 この辺のことも含めて、将棋がわかればもっと楽しめたんだろうな、この話。

さて、事件は無事に解決。 ラスト・シーンでは、「天野宗歩の立会いのもとで、日本将棋史上、まれに見る名人戦が行われた」 とのナレーションが入り、将棋を指す平次と万七が映る。 それぞれの王将が自陣に戻ってきちゃったりする長い勝負になったようで、天野宗歩は扇子の影で大あくび。 どちらが勝ったかについては、「いかなる記録にも残されていない」 とのこと (笑)。

銭形平次 第256話 辻占せんべい

第256話 辻占せんべい (脚本: 田上雄、監督: 長谷川安人)

江戸の町を騒がす強盗 “黒つむじ” の一味は、押し込んだ讃岐屋で主人以外に知る者の少ない隠し戸棚から高価な壺を盗んで行った。 娘の証言から、店に出入りしていた煙草の行商人・亀八 (大坂志郎) が隠し戸棚の存在を知っていたと聞いた平次は、亀八が黒つむじの仲間ではないかと疑う。 世話好きの亀八は、それまでに黒つむじが押し込んだ先々に出入りしており、今は、親しくしている目の不自由な辻占せんべい売りの娘・お直 (永野裕紀子) を、小網町の廻船問屋・湊屋久兵ヱ (河上一夫) の娘として引き合わせようとしていた。 12年前の大火で両親と生き別れになったお直が、湊屋の娘・おのぶであるという証拠は、行方不明になった時に着ていた赤地に鶴を染め抜いた着物だったが……。

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【所感】
「人が喜ぶのを見ていると、自分もしあわせな気持ちになる」 という世話好きな亀八を、大坂志郎が好演。 最後に、お直のしあわせな姿を見たかった……と言い残して息絶えるシーンには泣かされる。
湊屋久兵ヱを演じる河上一夫は、「燃えよ剣」 の山南敬助、用心棒シリーズのゲストなどで出演していた頃に比べて、すっかり痩せていて驚いた。 お直は実の娘とは言い切れないが、目をつぶって引き取ってほしいと頼む平次に、最初からそのつもりでいた、と答えたのには感動してしまった (結局、本当の娘だったことがわかってハッピーエンドだった)。
亀八を疑っているくせに、わざわざ万七を 「5年来のやもめ暮らし」 と紹介する平次。 小唄の師匠でいい人がいる、と言われて浮かれる万七を見て、これで亀八の気も緩むというもの、とブラック発言。 まんまとのせられた万七が、最後まで小唄の師匠が近づいた、遠のいた……と一喜一憂する姿が可愛い (笑)。

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