燃えよ万平
~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~
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俺は用心棒(2) 第12話 暁に染まる頃
干ばつの村にやって来た用心棒のだんなは、代官所の元手代・江口惣助 (片山明彦) から、村の者たちが水を争って隣村を襲う相談をしていると聞かされる。 代官・磯崎重左ヱ門 (河上一夫) に意見したため、手代を辞めさせられて罪人として江戸に送られたという江口。 代官屋敷に奉公するお政 (伊藤栄子) という娘に会って確かめることがあると聞いた用心棒のだんなは、お政の父・与市 (明石潮) が営む居酒屋で代官所の場所とお政のことを尋ねる。後から来た江口は、お政が2年前に代官所のただ働きを許されて暇をもらっていると聞き、あまりにも早く奉公を免除されていることを不審に思う。 一方、万平だんなと田島次郎は、村の百姓たちに隣村の襲撃に手を貸してほしいと頼まれて困っていた。 一晩待つように言い聞かせて逃げ出した2人は、一杯飲みながら何か手を考えようと与市の店にやって来る。 江口は3人に、代官所の前にある大池の水を田んぼに落とせばいいと話すが、その池には東照大権現を祀る祠があるので代官は手をつけないのだという…。
代官は幕臣としての身分は低いが、強大な権力を持っており、いかに支配地に暮らす者たちの心を掴むかがポイント…というわけで、村の庄屋たちを屋敷に集めて酒宴を開いて接待し、年貢を確保するのに忙しい。 屋敷に奉公させられている娘たちは3年間のただ働きで、代官の夜の相手をさせられることも (相手をすれば、ただ働きを免除される)。 庄屋たちは代官の言いなりで頼りにならず、村の人々は苦しめられている…。
江口は代官所の手代だった頃、大池の水を田んぼに流すため、水門を開けようとしたが、計画が代官にバレていて捕らえられてしまった。 水門を開けて百姓たちの水争いをやめさせる…と建前は立派な江口だが、実際は自分を裏切った者を 「地獄に送るために戻ってきた」 という小さい男。 その江口が事前に計画を打ち明けた唯一の相手がお政だったのだが、代官に密告したのは、お政を早く奉公から戻してほしいと願う夫 (林浩久) だった。 お政に夫がいたことも知らず、「ちょっと魅かれていた」 江口は、キレて夫に斬りかかるも、用心棒のだんなに斬られて果てる。
池の話を聞いた時から、「百姓、代官に代わって俺が池の水を田んぼに落とす」 と、“天に代わって” くらいの勢いで燃えていた用心棒のだんな…って、いつから正義のヒーローになったんだ、あんた (^^;) それはともかく、田島くんとのナイス・コンビで水門は開けられ、池の水は村へ流れるのだった。 用心棒のだんなが役人たちを引きつけている間に水門を開けた田島くん、「やりましたよ!」 と喜ぶ姿が若々しくていい。 それを見た用心棒のだんなが嬉しそうに笑うのは…、う~む、別人だわ… (^^;) 血風禄の時から、「動くな、喋るな、笑うな」 と言われていた…というのは有名な話だが、この辺りで河野監督も諦めたんだろうか?
こうして村は救われたわけだが、水門を切って水を流したのが誰なのか、人々は知らない。 代官所に奉公している村の娘・おえん (二階堂有希子) に、江口に違いないと言われ当惑するお政たちだが、真実を口にすることはない。 池のほとりには、命を懸けて村を救った手代・江口惣助を祀った 「水塚」 が作られ、彼の名前は語り継がれる。 浪人たちは村を去り、二度と戻ることはない…。
万平だんな、今日は武芸の極意を語るの巻。 守破離とは何か…という話まで持ち出しておいて、結局は 「とにかく一杯、飲みましょう」 とは、「結構な極意ですね」 と呆れる田島くんに、「流派によって何事も解釈が違うんだ」 と動じず (笑)。
が、飲みに行った居酒屋で 「酒でも田んぼに流すか」 と言った時には、さすがに 「その程度の極意では、あまり冴えてるとは思えませんね」 とやられて、「まったくだ」。
しかし、そこで江口から池の水を流す話を聞き、用心棒のだんなも燃えてきたところで、「どうだ。 酒を飲みに来ると、いい案が浮かぶだろう」 と締め。 今回のオープニングで、右側に名前が出ているのは、誰も極められない極意を持っているからに違いない。
さらに、ちらりと過去の話?
「恥ずかしながら、ちょっと (お政に) 魅かれていたのかも」 と告白する江口に思わず、「恥ずかしがることはない。 男が女に惹かれるのは当然、私だってひと頃は…。 いや、私のことはどうだっていい」 と口走る。 ひと頃は…って、あなた。 今は女に興味なしか?!
万平だんなの過去も気になるところだが、この話で一番気になったのは、お政の夫 (どーでもいいけど、名前を付けてほしい…) が、勤め先から帰ってきたシーン。 「あ、これ買ってきたよ」 と、何やら包みを渡す夫。 「あ、この間頼んだ、あれ?」、 「うん、探して買ってきた」、 「ありがとう。 高かった?」、 「いや、そんなでもなかったよ」、 「あら、そう」 …なんて話しながら、2人は仲良く家に帰って行く…って、一体、何を買ってきたんだ~!
<こんなところに、あんな人>
代官に接待される庄屋の1人に池信一。 孫娘のことなどを尋ねられ、薬をもらっていた (賄賂よね…)。
水門を守る役人の1人に有島淳平。
俺は用心棒(2) 第11話 枇杷の実る宿
城の若い侍・梅本文之助 (浜田晃) は、6人の仲間たちと定期的に行っていた集まりへの参加をやめるように上役から言われる。 仲間の誰かが 「みんなで酒を飲んで上役の悪口を言い合っている集まり」 と告げ口をしたことが原因だった。 その頃、集まりが行われていた素人宿では、さと (八木昌子) と勘太 (加賀爪清和) の兄妹が母親とともに、梅本たちが来るのを待っていた。 現れたのは用心棒のだんなで、7人の侍が集まって暴れた時のため、さとの護衛を頼まれてきた、と宿に上がる。 やがて梅本が宿を訪れ、自分が江戸詰めになったことをさとに告げ、その気があったら来い、と金を渡して去ろうとする。 そこへ、梅本を除いた仲間の全員が山林見廻りの勤番に回されたことから裏切りの張本人を知った侍たちが、梅本を探して押しかけてくる。 さとは納戸に隠れた梅本を必死にかばうが…。
生活のために家を素人宿にしているさとだが、勘太はそんな商売を嫌がっている。 侍たちは、それぞれにさとと関係を持ちながら、所詮は誰にでも身を任せる女…とバカにしている。 さとは梅本に惚れていたが、その心を裏切られた上に、最後には梅本に斬られてしまうという救いのなさ。そんな梅本を斬るのが用心棒のだんなではなく、田島くんってところがポイント。 こういう最低なヤツは許せないのよね。
すべてが終わった後、庭の枇杷の木についた実を叩き落し、怒りと悲しみをぶつける勘太。 なんで、あんなに熟すまで枇杷を取らなかったのかな…と言いながら万平だんなは去って行ったが、それは、梅本が自分で摘んで食べるの楽しみにしているからと、さとが勘太にも食べさせず、大事に取っておいたからだった…。
しかし、最初から相手にしていなかった、と言う割には、さとのために用心棒のだんなを雇ってみたり、梅本の行動にはナゾが残る。
路上商いで枇杷を勧められ、初物だと喜ぶ万平だんな。 そこへやって来た田島くんったら、用心棒のだんなの分はいりませんよ、変な仕事を引き受けたらしいから…って、そんな冷たいことを…。 すぐに腐るわけじゃないんだから買っておいてあげればいいのに。 ま、実は3個買うと宿代がなくなるってことだったらしいから、その辺を察したのか (^^;)
「集まり」 に参加していた若侍たち、梅本以外の6人は役名のクレジットがなかったが、うち2人は森章二と小山田良樹。
全体的にだんなたちの活躍が少なくて、ちょっと物足りなかったなぁ。 昔、住んでいた家の庭に枇杷の木があったから、個人的には何となく懐かしい話ではあったけど。 枇杷の木がある家には病人が出るという言い伝えから、あまり縁起がよくないと親は言っていたけど、庭で取れた枇杷を食べたのは、いい思い出として残っている。
俺は用心棒(2) 第10話 噂の中の女
井の澤権現の境内で、土地の貸元・権現の萬五郎 (汐路章) をならず者から救った用心棒のだんなは、礼金をもらうため、萬五郎に同道する。 その頃、宿場の旅籠・もみじやでは、大店・みの屋 (池田忠雄) の若い後添い・およう (三原有美子) と番頭の清吉 (高津住男) が、行商人の民助 (藤岡重慶) と国造 (玉生司郎) に、駆け落ちをネタにゆすられていた。 田島次郎と品田万平に助けられる2人だが、今度は、みの屋を陥れようとする商売敵、佐野屋 (外山高士) らに利用されそうになる。 そこへ、みの屋を追ってきた役人たちが現れて、佐野屋たちは捕らえられる。 おようと清吉は、材木奉行と組んで悪徳な取引きをしていたみの屋を訴えて逃げて来たのだった……。
用心棒のだんなが宿代を稼いでくるのを待つ間、もみじやの台所を手伝わされる万平だんなが大活躍 (笑)。 おろしにするはずの大根を輪切りにしちゃったり (刻んだのをおろせばいい。 大根おろしも流派によって違う、とのこと)、田島くんと民助&国造の立ち回りに大根を持って参戦したり (その大根で一発くらうのは国造。 そういや、斉藤さん同士の戦いだった……)。 宿の主人に睨まれて、折れた大根の尻尾を懐にしまうのが可愛い。 駆け落ちの2人に、自分がお菜を作ったので、出立する前に飯は食っていけ、と言うのを忘れない。
ちなみに献立は:
・鯉の洗い
・ぜんまいの煮付け
・みょうがの澄まし汁
・焼き味噌
「あと、なめこがあるんだが、大根おろしがないので出ないだろう」 とのこと。 ……他人事みたいに言うな (笑)。
結局、役人が来たりして慌しく宿を去った駆け落ち組は食べなかったようだが、膳を前にした田島くんの様子を見ると今ひとつだったみたい。 万平だんなも自信なさそう……。 宿には色々な客がいる、と話す2人。 田島くんに 「勘定のあてがないので台所に立っている変な客」 と言われた万平だんな、口をとがらせて 「勘定のことも考えず、ゴロゴロしている変な浪人」 とやり返す。 おいおい、この前はゴロゴロしていなさいって言ってただろう! あの微笑みは嘘だったのかいっ。 案外、用心棒のだんなが一番まともかもしれない……ってことで話は収まった。 まとも…ねぇ。 確かに、ちゃんと働いてお金を稼いでいるのは用心棒のだんなだけだわ (^^;)
田島くん、おようと清吉がみの屋を訴えてきたという話を聞いて、「男はともかく、女は夫を捨てて若い男に走ったことに変わりはないのでしょう」 と一言、潔癖なところを見せる。
その用心棒のだんな、萬五郎の一家と民助&国造から、おようと清吉を助けて逃がしてから、旅籠に持って帰る金を作らねばならない…と困った顔。 で、やむを得ず民助たちの行商の品物を持って帰ることに。 そんなもの持ってこられても…ということで、白粉やら紅やらを旅籠の女中に売り込む万平だんな。 安いよ、安いよ…と最初から叩き売りモードだが、その白粉を自分の顔に塗ってみて (塗るな~/笑)、安物だ、買わん方がいいとか言う。 あぁ、どこまでやるんだ、万平! ステキすぎるぞ、万平!
役人を傷つけて逃げていたみの屋の主人と街道で鉢合せしてしまった、おようと清吉。 主人と清吉は刺し違えて死に、おようは1人逃げて行く。 別の宿場で、居酒屋の酌婦となったおようを見かけた用心棒のだんなたちは、黙って去っていくのだった。
<こんなところに、あんな人>
みの屋と清吉が刺し違えた後、もみじやに 「人が2人死んでいる」 と知らせに来たのは有島淳平。
<メモ>
次回予告編の最初に、初めて 「予告」 の文字が出る。
俺は用心棒(2) 第9話 折れた剣
城下はずれの茶店で、釣り帰りの山田十郎左ヱ門 (野々村潔) と居合わせる用心棒のだんなたち。 相手が噂に聞いたことのある据物斬りの名人と知った田島次郎は、ぜひ話を聞きたいと頼む。 城下に出かける用事があるという山田だが、帰宅後でよければと承知し、田島は七ツ過ぎに山田の家を訪ねる約束をする。 家老・坂田彦右ヱ門 (春日章良) の屋敷に呼び出されて出かけた山田は、藩主のご落胤・谷口要之助 (亀石征一郎) との立ち合いで負けるように頼まれていたが、流派の誇りのためにも負けることはできないと断る。 帰り道、山田と、同行していた内弟子・森川平馬 (鮎川浩) は、城の重臣の1人 (多分…。 役職不明)、近藤政右ヱ門 (小林勝彦) 配下の侍 (山口幸生) が集めた浪人一味に襲われる。 居酒屋で、一味に加わらないかと声をかけられたものの、襲う相手や目的がわからないという理由で、離れた場所から様子を見ていた用心棒のだんなと品田万平。 斬り合いの最中に山田の刀が折れるのを見て助けに走るが…。
今日の万平だんな、居酒屋でお金を数えながら、この城下は物が高いよ…と文句。 天地正大流には銭勘定の修行がないそうだが、これだけ旅して歩いてりゃ、十分な修行じゃないかと思うんだが…。 「いざとなったら道場破りでもするさ」 なんて言ってくれちゃう心強い (?) 用心棒のだんなのおかげで何とかなっちゃうから、修行になってないのか…。
山田の内弟子・新助 (賀川浩) が、師匠の外出用として用意されていた刀を、こっそり持ち出すまでは、まぁ、気持ちがわからないでもないが、薪を斬ってみようとするのは、さすがにやりすぎだろう、キミ…。 そのために後で自分を責めることになるわけだが、折れた師匠の刀で仇に立ち向かう姿は、無謀と思いつつも応援したくなった。 すごかったのは用心棒のだんなで、その新助の目の前で、あっさりと要之助の刀を折ってみせる。 えーと、狙って折れるもんなのか、刀って (^^;) 用心棒のだんなは、それだけすごい腕を持ってるってことか。
田島くんは、訪ねて行った山田の家で、薪割りの見事な腕を披露。 山田の帰りを待ちながら、新助と、その姉で平馬の妻・八重 (岸久美子) と談笑しているところへ悲報が届き、結局、話を聞くことはできず。 久々に剣術修行も忘れていないところを見せたのに…。
姉弟の仇討ちに手を貸すのに、茶屋で山田からもらった鮎のお礼をするだけ、と言う万平だんながニクい。
ご落胤の要之助を殿と対面させるため、あれこれと手を回す家老たち。 わがままな若君に手を焼いているのかと思ったが、要之助は、山田が急病で死んだと聞いて、闇討ちでは…と疑ったり、意外とまとも。 藩の指南役 (千葉保) との立ち合いに勝ったのも自分の実力と信じているあたり、その出生ゆえに、望みもしないのに持ち上げられてしまっているのが悲しい…。
オープニングの配役クレジット、今回も左右田さんが右。
えーと…。 きっと今日から銭勘定の修行に励むから?
…うーん、ちと苦しい (^^;)
俺は用心棒(2) 第8話 宿場からは遠く
神社で奉納額を見ていた田島次郎は、斬り合いで負傷した侍、木村周作 (柳生博) に、宿場の旅籠で待つ連れの吉川兵馬 (石浜朗) とゆか (花園ひろみ) に伝言を頼まれる。その頃、兵馬とゆかは、追ってきた城下の侍を斬り、宿場はずれの空き家に隠れ場所を移していた。木村の身を案じるゆかは、彼を見捨てて先を急ごうとする兵馬と衝突する。隠れた空き家が用心棒のだんな達の寝ぐらだったことから、戻ってきた田島が木村の消息を伝え、ゆかは品田万平とともに木村のもとへ走るのだった…。
空き家に入ってきた兵馬たちの前に現れた用心棒のだんな、ここは空き家なんだから野良犬や捨て猫がいるかも、狸や狢も起きてくる…と言ったところで、2階から万平だんなが降りてくるのに大笑い。 呼ばれて出てきたわけじゃないと思うけど…、やっぱり狸の方かな (笑)。 その万平だんなは、奉納額の値打ちについての講釈 (1人で喋ってるだけ、とも言う)、兵馬とゆかのケンカの仲裁、木村の手当て(ここで天地正大流の医術に励む!)…と、大忙し。しかし、男と女のケンカの潮時まで見極めるとは、さすがに経験豊富? …っていうか、それも天地正大流?(笑)
今日の田島くんは単独行動が多かった。 木村の伝言を持って行った旅籠では、城下の侍たちにわからないように、そして女中に迷惑がかからないように、うまく情報入手。 親切な女中をかばって侍たちを相手にする。 完璧…かと思いきや、空き家に戻ったら用心棒のだんなに、後をつけられたな…って、何だか嬉しそうに言われちゃったけどね。
城下の侍たちに協力して、吉川たちを追っている目明し・喜代造に梅津栄。 妖怪度ゼロで、普通にイヤな感じの目明しだったが、何だか1人だけ、うまくだんなたちの手から逃れているなぁ…と思っていたら、最後には木村とゆかを捕らえて、手柄をちゃっかり独り占め。
やっと一緒になれた木村とゆかを狙う吉川を斬り、これまでのことは忘れて2人で新しくやり直せ、と言葉をかける用心棒のだんな。 なのに、結局2人は当初の予定通り、ゆかの父のもとへ行ってしまう。 唐丸駕籠に乗せられた2人を見た用心棒のだんな、どんな気持ちだったことか…。 うまくいったかのように見せておいて、やっぱりビターエンド。 だんな達には、その後を知らせないであげてほしかったな…。
オープニングの配役クレジット、久しぶりに左右田さんが右だった。
天地正大流フル回転で頑張ったから?