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燃えよ万平

~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~

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俺は用心棒(2) 第2話 草笛の鳴る朝

第2話 草笛の鳴る朝 (監督: 河野寿一)
早朝、どこぞの山国の松林で草笛を吹きながら果たし合いの相手を待つ若い侍、山田新六。そこを通りかかった田島次郎に、井田道場の者かと強い口調で問うが、違うとわかると丁寧に謝り、簡単に事情を話す。万平だんなの待つ山小屋に戻った後も、気になって仕方ない様子の田島。酒を仕入れてきた用心棒から、松林に向かう3人の侍を見た、斬り合いが始まるぞ…と聞いて駆け付けるも、時すでに遅し。一対一の果たし合いだったはずが、複数の相手に斬られている新六の亡骸に手を合わせるしかない。 新六の妹、さと (岩井友見) が願い出た仇討ちは、果たし合いの相手、佐藤に助太刀があったことから許され、路金と介添え人まで付けられる。 が、その介添え人、井田源三郎 (穂高稔) は、実はさとを我が物にしようと以前から狙っている男だった。 果し合いに割り込んで新六を斬ったのも、実は井田と2人の門弟たち。 酔った勢いで、さとに言い寄った時、新六にジャマされたのを根に持っていたのだ (所詮、小さい男である)。 藩命をかざして堂々と訪ねてくる井田だが、さとは下僕 (北見治一) とともに抜け出し、逃げるように仇を追う旅へ…。
一方、役人たちは、「果たし合いの助太刀は3人の旅の浪人。 一人は無腰 (← 笑)」 との情報から、だんな達を追っている。 当のだんな達は揃って一文無し、勝手に空家に入り込んで今後の相談。 用心棒の口もなさそうだし…と、用心棒のだんな、何と道場破りに! 行った先が井田道場だったことから、卑怯なヤツらが井田と門弟たちだったとわかって、田島と用心棒は彼らの居場所を聞き出し、斬って捨てる (あっさりと。 井田、一刀流の道場主で藩の指南役でもあったはずなのに…)。
空家に浪人が入り込んでいる、との通報で、だんな達を捕らえに来た目付の大室弥左ヱ門 (外山高士) の前に、まだ城下に潜んでいた果たし合いの相手、佐藤が現れて真相を語り、すべては済んでいることが判明。 だが、井田が新六を殺した理由は誰にもわからない。 そして、仇を追って旅立って行った、さとの行方も…。


山小屋で火をおこそうとしている万平だんなが、今シリーズで初めて、名台詞、「どうも、うまくねぇな」 を口にする。 そして、今日も飛ばしまくり。 しゃべること、しゃべること…。 用心棒が酒を手に入れてきたので、湯呑みを出してきて2人に渡す (田島くんと用心棒が揃って万平だんなの方に腕を思い切り伸ばして湯呑みを差し出すのがかわいい)…が、酒は注がず。毒味と称して自分だけ飲み、まぁ、いいでしょうとか言っている。 徳利を手に持ったままで歌など詠み、誰の歌か知っているか、知らんだろうな、自分が今作ったんだから…と、止まらない。 そして、2人に酒を注ぐことなく徳利を置いてしまう。 空家では床板を踏み抜いたり…と、すべて持っていく(笑)。 万平だんなには誰もかなわんな…(^^;)

…という部分も含めて、山のように見所が詰まった、いい話だった。
ラスト、田島くんが吹く草笛の音に、兄の姿を浮かべて走って来たさとだが、互いに相手を知るはずもなく、言葉も交わさずに別れていく。 さとの後姿を見送る田島くんの表情が、すごくいい。

<こんなところに、あんな人>
井田道場の留守番で、用心棒にハメられて井田の居所をしゃべってしまう師範代は、波多野博。
だんな達を捕らえに空家へ向かう役人の中に小峰さん。

【月間12本/年間12本】

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俺は用心棒(2) 第1話 竜神の明り

第1話 竜神の明り (監督: 河野寿一)
3年前、盗みの罪で捕らえられた精次郎 (早川純一) は、牢から出た後、表向きは自害したことにして、事件当日の自分のアリバイを証言できる女旅芸人を探して旅に出る。祝言の当日に夫を召し捕らえられて残された妻、おつね (桜町弘子) は旅籠で女中として働きながら、その帰りを待つ。ある日、おつねのもとに旅の行商人が現われ、精二郎の名を出して竜神池のそばにある茶屋まで来るように告げる。すぐにも飛んでいきたい気持ちを抑えて働くおつねだが、そんな時、旅籠に役人がやってくる。追われているのは夫では…と気が気でないおつね。役人が本当に追っていたのは、この旅籠に泊まっていた沼田鍬次郎(工藤賢太郎)。宿改めで見つかった鍬次郎が役人を斬り、旅籠から逃げ出して騒ぎになっている隙に、おつねは竜神池へ走る・・・。 


タイトルが元の 「俺は用心棒」 に戻った新シリーズ。 用心棒、品田万平、田島次郎の3人は、前シリーズの 「帰って来た用心棒」 から変わらず。舞台が特定されていないのも、これまでのシリーズと同様。
タイトルバックが3人になっている! 一番前で構える万平だんな、かっこいい・・・。
そして、アイキャッチも3人に! 真ん中で刀を振り上げて飛ぶ田島くん、かっこいい・・・(でも、万平だんなの顔が 「俺」 の字に完全に隠れているのは、どうかと思う)。

「死んだ男を生き返らせる手伝い」 をするという行商人に雇われていた用心棒。雇い主がいなくなったら関係ないと一旦は立ち去ろうとしたのが、おつねの話を聞いて何だか熱くなっている・・・。事情を聞いて用心棒を引き受けるとか言っておいて、女旅芸人が斬られてから悪目付を斬っても・・・ねぇ。

逃げる旅人の目撃証言をしてやろうと役人の前に立った万平だんな。答えになっていないことを、一人突っ込みを入れながら喋りまくりで飛ばす、飛ばす(笑)。万平だんなには、いくらでも喋らせておきたいんじゃないだろうか、結束先生・・・(^^;) ちなみに証言は、「抜き身を持った旅姿の男が西の方へ走って行くのを見た」だけ。捕らえられた鍬次郎を逃がして (縄付きのままだから危険はないだろうとの注釈付き)、自分たちが役人から逃れるという大技も披露。

番組が始まって30分も経ってから登場の田島くん、鍬次郎が立てこもった民家から人質を助け出し、鍬次郎を取り押さえる活躍。自分の着物の袖が切れてしまっているのを見て、替えがないのになぁ・・・とつぶやく。 やっぱりか。

<こんなところに、あんな人>
鍬次郎が人質を取って立てこもっている、と役人に伝える農夫に小峰さん。

【月間11本/年間11本】

俺は用心棒(2)

俺は用心棒(2)

用心棒シリーズの第4弾。 ここでは勝手に 「用心棒(2)」 としているが、正式タイトルは 「用心棒シリーズ 俺は用心棒」。
用心棒を稼業にしている謎の浪人 (栗塚旭)、天地正大流の柔術師範・品田万平 (左右田一平)、そして若き剣士・田島次郎 (島田順司) の3人は、旅の先々でさまざまな事件に出会い、関わっていく。 心ならずも巻き込まれる人々や自ら事件に飛び込んでいく人々の姿を描く。 3人の浪人たちは、通りすがりに関わり、そして立ち去って行く。
主役の3人は前作の 「帰って来た用心棒」 から変わらず。 ただし、特に後半では、用心棒のだんなが明るい笑顔を見せることが多くなったのに対し、田島次郎はあまり笑わなくなっており、行く先々で出会う理不尽な出来事に怒りを爆発させることもしばしば (ちょっと暴走気味?)。 変わらぬは品田万平ばかり。 舞台が京都ではなくなったため、前作で御番所の同心、岡っ引きを演じていた香月凉二、小田部通麿、西田良の3人衆は出演せず。 

【番組データ】
主演: 栗塚旭/島田順司/左右田一平
放映: 1969年4月7日~1969年12月29日 (全26話、モノクロ)
制作: NET (現テレビ朝日)/東映
原作/脚本: 結束信二
プロデューサー: 小沢英輔/田村嘉
音楽: 渡辺岳夫
擬斗: 上野隆三
監督: 河野寿一/松尾正武/佐々木康
ナレーション: 左右田一平


第1話

竜神の明り

第14話

青葉の中の娘

第2話

草笛の鳴る朝

第15話

夕顔の咲く宿

第3話

陽炎の宿

第16話

迎えに来る武士

第4話

街道口の女

第17話

夏の夜と朝に

第5話

浪士狩りの夜 

第18話

稲妻の中に

第6話

きぬたの音 

第19話

消えた銃声

第7話

江戸で知った女 

第20話

廻り灯篭 

第8話

宿場からは遠く

第21話

決起の時九人

第9話

折れた剣

第22話

ひぐらしの鳴く町

第10話

噂の中の女

第23話

亡き父の怒り

第11話

枇杷の実る宿

第24話

第12話

暁に染まる頃

第25話

幽明の町

第13話

刺客のひそむ夜

第26話

暁雲

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