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燃えよ万平

~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~

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日本怪談劇場 第8話

怪談 首斬り浅右ヱ門
 (原作/脚本: 宮川一郎、監督: 唐順棋)

公儀御様御用 (こうぎおためしごよう) の山田浅右ヱ門 (栗塚旭) が川で助けた身投げ女は、昔の恋人・およう (長谷川稀世) だった。 いずれは首斬り役人になる浅右ヱ門と夫婦になるのを拒み、小栗新之助 (高津住男) と一緒になったはずのおようだが、今は心中者の片割れとして役人に追われる身。 浅右ヱ門の留守中に姿を消したおようが、奉行所から一生奉公として吉原に下げ渡され、女郎になっていると知った浅右ヱ門は、首斬りの御役を返上し、彼女を身請けして共に生きようと決意する。

***************
【所感】
東京12チャンネル (現・テレビ東京) で1970年に放送された、古典怪談のオムニバス作品。 四谷怪談、牡丹燈籠、耳なし芳一など、よく知られた怪談のほか、オリジナル作品も加えた全13話のテレビシリーズ。 この第8話は、宮川一郎によるオリジナル作品。

1970年ということは、「燃えよ剣」 と同時期なわけで、見た目には歳さんとほとんと同じ…… (^^;) 同じような髪型だし。 うーむ、やっぱりハンサムだわ。 目を向いた顔は迫力ありすぎて、ちと怖いけど (これがまた多いのよ。 しかもアップで/笑)。 殺陣は首斬りのシーンがメインだったけど、後半、幻覚 (っていうか幽霊?) を相手に闇雲に刀を振り回すところでは、ちょっとハラハラしてしまったりして (きゃーっ、失礼!)。 小栗は 「大道芸人の剣で俺が斬れるのか」 なんて挑発するし (初代・山田浅右ヱ門が実は大道芸人あがりという話から)!
ちなみに、ここに登場する浅右ヱ門は5代目とのこと。 「暴れん坊将軍」 で新さんこと徳川吉宗と悪者退治している 「山田朝右衛門 (役名がこの字を使っている)」 は、年代から見て3代目と思われるので、今回の浅右ヱ門のおじいさんなんだね。 この後、長きにわたって朝右衛門を演じていくことになろうとは、栗塚さんも想像してなかっただろうなぁ。

首斬りという御役のため、斬られた者たちの恨みを受けてしまった……と単純に考えればいいのかもしれないが、「悪いヤツ」 の小栗の霊に脅かされた浅右ヱ門が自らの首を落としてしまう (実際にそのシーンは無いが) ラストは、何となくすっきりしなかった。
 
が、いろいろ考えてみて、人としての心をちゃんと持った人間・山田浅右ヱ門を描いた話なんだな、と思った。 斬った罪人たちを供養していること、御役目があくまで試し斬りであることなどがうまく盛り込まれているし (ちょっとナゾだった男・亥三が 「お前は斬った人間の肝を売っているそうだな」 と言っていたのも、山田家が副業として人の肝臓を使った漢方薬・人胆丸を売っていたという話につながるのかも)。 不運にも御様御用の家に生まれてしまったが、その役目を捨てて惚れた女と幸せに暮らしたいと願う普通の男、人間なのだ。 が、それは許されず、首斬り役として 「一生奉公」 しなければならない悲しい運命。 強引に女を自分のものにした小栗とか、「お前は首を斬っていればいいんだ」 みたいなことを言って浅右ヱ門を役目に縛りつける牢奉行・石出帯刀 (信欽三) の方がよっぽど汚い人間なのに、そんなヤツらに翻弄されて浅右ヱ門は壊れていってしまう。 なぜ……?
いずれにせよ、この話で一番怖かったのは幽霊とかじゃなくて石出帯刀だった。 首がない浅右ヱ門の遺体を見て、発した言葉が 「また探さねばならんな」 だもんなぁ。 終始、薄笑いを浮かべているのも不気味だった。

出演: 栗塚旭/山田浅右ヱ門、高津住男/小栗新之助、土方弘/文五郎、鮎川浩/弥助、可知靖之/桜井、上林/水野、大平進/亥三、田所千鶴子/やりて*、信欽三/石出帯刀、長谷川稀世/およう

* 「やりて」 とは何ぞやと調べてみたところ、オンラインの 「日本語俗語辞書」 の “やり手婆” の項目に、『時代劇では、奥部屋でいろりの前に座って遊女に指示をしたり、「いい娘いるわよ」 と呼び込みをしている中年女がこれにあたる』 との記載あり。

*敬称は略させていただいています。

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柳生十兵衛 第12話 ふたり十兵衛

第12話 ふたり十兵衛
 (脚本: 高田宏治、監督: 大西卓夫)

旅の浪人・八雲七十郎 (山田吾一) は、人買いに追われる娘・お咲 (岩村百合子) を助けるため、思わず柳生十兵衛と名乗ってしまう。 お咲を家に送り届けた八雲は、財布をまるごと渡し、どんなに苦しくても身を売るようなことはしないように、と言い残して去る。 無一文のため、飯を食べさせてもらえないかと道場の門を叩く八雲だが、道場破りと勘違いされ、門前払いに合いそうになった時、またもや柳生十兵衛を名乗ってしまう。

***************
【所感】
にせ柳生十兵衛、現る! が、もともと悪気があったわけではない。 八雲七十郎、実は弱い。なので、何とか人買いから娘を助けようと、十兵衛の名前を借りてしまっただけのこと。 ちなみに、お咲を追っていた人買いの3人衆は小嵐甚五左 (汐路章)、水尾権三郎 (有川正治) + もう1人 (ごめんなさい、わからなかった……)。 小嵐は、お咲をかばう八雲に (ジャマすると) 「てめぇから先にやっちゃうぜー」 と迫る。 やっちゃう……って (^^;) おかしすぎです (笑)。

悪気はなかったけど、何だか道場を訪ねて名乗るだけで金がもらえる……ってんで、いい気になった八雲が、本物の十兵衛にも 「柳生十兵衛だ。 驚くのも無理はない、うんうん」 みたいな自己紹介をしてしまうのは、お約束。
旅の途中で知り合った大店の娘・小菊 (亀井光代) への八雲の恋、そして失恋も描きながら、しっかり下関の海産物問屋と番所頭の悪事も解決していって、飽きさせない展開だった。 八雲がにせ十兵衛とわかった時、本物の十兵衛の正体も明かされたのかどうか不明瞭だったし (八雲がいきなり十兵衛を 「大先生」 と呼んでいて、宿で自分のために掲げられた 「天下無双 柳生十兵衛大先生宿所」 の看板を抱えてるし)、最後に八雲がお常 (佐々木愛) といいムードになるってのも、ちょっと強引かなー。 でも全体としては楽しめたのでいい。

八雲がまだ 「十兵衛」 だった時、旅籠で隣の部屋にいた小菊たちに売りつけた扇子に 「柳生十兵衛 日本一」 と書かれているのが、何ともベタベタなんだが笑える。
八雲のキャラクターに引きずられてか、今日は十兵衛も何だか笑わせてくれた。 小菊の婿になる気はあるかと問われて、ちょっと困っちゃうシーンもよかったし、番所頭をはじめとする悪者どもを牢に押し込めるのも楽しかった。 「さ、入れ。 早く入れ」 と、牢番まで1人残らず入れちゃって、「そのうち毛利藩より沙汰があるだろう。 打首とか晒し首とか」 と言って、置いて行っちゃうんだもんなぁ。
……ひどいよ、それ (笑)。

ところで、今日の十兵衛の対戦相手、「名和」 文覚を演じるのが 「名和」 宏なのは……、シャレ?(^^;)

ゲスト: 佐々木愛/お常、亀井光代/小菊、名和宏/名和文覚 (もんがく)、高野真二/磐城宗兵衛、長島隆一/早板屋安次郎、岩村百合子/お咲、有川正治/水尾権三郎、汐路章/小嵐甚五左、伊藤弘一/儀助、神戸瓢介/嘉平、佐々五郎/金八、市川男女之助/伊之助、東竜子/お徳、平沢彰/門弟、畑中怜一/丑松、志茂山高也/門弟、川津清三郎/大潮屋多左衛門、山田吾一/八雲七十郎

<こんなところに、あんな人>
お咲を演じる岩村百合子は、もちろん 「しぃちゃん」 である。
「門弟」 としてクレジットありの平沢彰は、にせ十兵衛が最初に門を叩いた道場で応対。 もろに嫌そうな顔で追い返そうとしていたのが、「柳生十兵衛」 の名前を聞いて仰天、慌てて奥に下がり、次に出てきた時には、広げた扇子の上に金包みを乗せて差し出す。

*敬称は略させていただいています。

伝七捕物帳 第109話 舞い降りた鶴

第109話 舞い降りた鶴
 (脚本: 池田一朗、監督: 戸田廣貴)


大工の留五郎 (品川隆二)  が一目惚れしたお千代 (村松英子) は、大店の娘で大奥で中臈・お由の方 (深町綾子) に12年仕えていたという。 身分違いとの周囲の声にも諦められない留五郎のため、ダメで元々と長屋の大家・甚兵衛 (天草四郎) が結婚を申し込むと、お千代はあっさり承諾。 あっという間に夫婦となった2人だが、留五郎は何者かに命を狙われるようになる。

***************
【所感】
ゲストの品隆がはじけまくりで嬉しい (笑)。 ……というか、伝七親分を始め、全員がはじけていたぞ (^^;) まるで 「加藤泰が脚本を書いた時の大岡越前」 みたいで、何だか皆さん楽しそう。 伝七親分、キャラ違いすぎでは……? でも、テンション高い品隆が相手だし、面白いからいい (笑)。

最初は本気ではなく、事が落ち着いたら離縁してもらうつもりだったお千代が、最後にはすっかり長屋のおかみさんになっているあたり、読めちゃう展開なんだけど、必要以上にアツアツ&ベタベタなところを見せつける品隆が最高で楽しい。

留五郎が命まで狙われたのは、お由の方の勝手な思い込みが原因。 さらに、その思い込みの原因は自らの寝言だったなんて……。 大奥って大変な所ねー。
本日の前進座からのゲストは、お由の方を演じた深町綾子。

ゲスト: 品川隆二/留五郎、村松英子/お千代、深町綾子/お由の方、高山ひろ子/おしの、城所英夫/境平助、天草四郎/甚兵衛 (留五郎が住む長屋の大家)、瀬良明/松前屋

*敬称は略させていただいています。

必殺仕事人V 第23話 加代、五千両の金塊を拾う

第23話 加代、五千両の金塊を拾う
 (脚本: 中原朗、監督: 松野宏軌)


島田さんが金座御用の分銅金を運ぶ蔵役人・田倉勘助役で出演。 「昼行灯と言われながらも無事に (御役を) 勤め上げられると思っていた」 平凡な役人が、悪い御金改役の罠にはまって打首に……。 その娘の依頼で仕事人たちは悪を斬る。 加代が拾った金塊は、裏の仕事も休んで独り占めしようとしたのが仇になり、20年に一度の 「水洗い弁天」 祭のため、弁天様の像とともに湖の底に沈んでいった。

珍しく関西アクセントの島田さん。 拷問にかけられるシーンを見るのがつらかった (T_T)  が、「腕、細いなぁ……」 などと思ったりもして。 犯してもいない罪を認めたのは、「あほくさくなって、やったと言ったらすっきりするような気がした」 から。 いいのか、そんなことで打首になって (ToT) 主水が叶えてくれた最後の願い、「けつねうどん、食べさせてもらえまへんやろか」 も、大坂と違う……と、がっかり。 あまりにも不幸すぎで、こっちまで気分がどよ~んとしてしまったよ。


ゲスト: 島田順司/田倉勘助、妹尾友信/溝呂木頼母、原口剛/後藤伊三郎、石山雄大/跡部、斉藤絵里/のぶ、白井滋郎/銀三、松尾勝人/番頭

*敬称は略させていただいています。

歌舞伎 - 人情噺文七元結

歌舞伎チャンネルで放送された、昭和53年11月の歌舞伎座公演。
やっぱり世話物はいいねぇ……と、楽しく観賞。 福助時代の梅玉さんを観るのは初めてだったが、噂通り、いや、予想をはるかに超える美しさ&色っぽさに驚く。 そして、やっぱり声がステキ。

出演: 左官 長兵衛/尾上松禄 (二世) 、お兼/中村芝翫、文七/中村福助 (現・梅玉)、お久/中村松江 (現・魁春)、角海老女房・お駒/中村雀右衛門、他

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