燃えよ万平
~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~
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柳生十兵衛 第30話 足を洗った男
第30話 足を洗った男
(脚本: 池上金男、監督: 工藤栄一、助監督: 依田智臣)
ついにラス前。 久しぶりに登場の我らが空っ風の三九郎。 旅先で十兵衛と別れてから、盗人から足を洗ったのはよかったが、怠惰なのは相変わらず。 働きもせず、幡隋院長兵衛のところに居候してダラダラしている。
何とか三九郎を立ち直らせ、相愛のお吉 (実は、既に三九郎との間の子供が……) との仲を取り持ってやろうと十兵衛と長兵衛の2人があれこれ画策する。 お吉を奉公から自由にするための25両を稼ぐため、下肥の仕事に精を出すようになった三九郎の姿に、「あいつもどうやら本物になったらしい」 と喜ぶ十兵衛がさわやか。
しかし今回は三九郎の目立つこと、目立つこと (笑)。 いつでもどこでも 『田中邦衛』 な演技が素晴らしすぎて、主役の十兵衛の出番が少なめでも全く気にならず。 どうしようもないヤツだけど、ついつい応援してしまう。
旗本奴の白柄 (しらつか) 組 の頭領として水野十郎左衛門も登場するが、子分 (って言うのか?) たちと十兵衛との果し合いを見守るだけで、長兵衛との直接の争いは描かれない。 個人的には長兵衛が死ななくて、ホッとした。
ゲスト: 野川由美子/お吉 (およし)、御木本伸介/水野十郎左衛門、穂積隆信/金時金兵衛、左卜全/大口屋、藤岡重慶/加賀爪甲斐、長島隆一/屋台の親爺、香月凉二/坂部三十郎、堀正夫/嘉兵衛、小柳圭子/仲居、白川浩二郎/小頭、小峰一男/商屋の番頭
セミレギュラー: 里見浩太朗/幡随院長兵衛、田中邦衛/空っ風の三九郎
<こんなところに、あんな人>
長兵衛の子分に白井滋郎。 セリフはなかったけど背が高いので目立っていた。 そして、若っ!(笑)
賭場で三九郎のとなりに波多野博。 同じく賭場で大口屋と三九郎の勝負を見守る中に野村鬼笑。
*敬称は略させていただいています。
柳生十兵衛 第27話 殴り込み中仙道
第27話 殴り込み中仙道
(脚本: 宮川一郎、監督: 山崎大助、助監督: 比嘉一郎)
ちょっと気を抜いたスキに視聴が止まって、すっかりバックログがふくらんでいる 「柳生十兵衛」 だが、この第27話は、放送枠を広げたスペシャル版でもないのに、ゲストが超スペシャル……ってことで、間をすっ飛ばして観てみることにした。 下のゲスト一覧でもハイライトした通り、なんと日本で最も歌のうまい2人が 『特別出演』 で登場! 一体、何がどうしてこんなスペシャルゲストを招くことになったんだろう……。 この2人がいなくても十分に豪華と言えるゲスト陣だと思うんだが。 しかも、北島三郎は使い方があまりにも贅沢……つまり、別に彼でなくてもいいと言える役どころ。 これはやっぱり、ひばりのご指名だったりするのかな。 ひばりは、昔の映画のイメージとは違う、落ち着いた役どころで、すごく良かった。
ちなみに、この2人 (+ 桜木健一) と並んだ時の十兵衛の大きいこと、大きいこと。 ものすごく背が高く見えて、いつにも増してかっこよかった (笑)。 あ、そういえば、十兵衛がかっこいいと言い続けてる (っていうほど書いてないが/笑) けど、言葉だけじゃわからないわよねー。 前に撮った写真なんか貼ってみたりして★
……既に何話のシーンだったか忘れてるけど、これぞイケメン!な1枚。
この顔で、ちょっとトボけたところを持ち合わせているのが、たまらんのであります♪ んでもって、たまーに 「大岡越前」 での吉宗テイスト (ちょっと早口なところとか) が入ってくるのが微笑ましかったり。 ……要するに何でもありかいっ>自分
が、如何に十兵衛がかっこよくても、そして如何にゲストが豪華でも、(少なくとも我が家で) 最も目を引いたのは:
汐路章だったなぁ…… (^^;)
さすが、うまーくフレームに入ってくるのと、何かしら強い印象を残す表情なりアクションなりを見せていくんだよねー。
ゲスト: 桜木健一/大次郎、吉沢京子/お春、天津敏/虎五郎、長沢純/仙太、伊達三郎/吉田甚助、浮田佐武郎/源吉、汐路章/松三、楠本健二/兼坂軍十郎、伊藤弘一/伝蔵、入江慎也/山崎甲斐守 (道中奉行)、賀川泰三/与助、宮城幸生/定、加藤匡志/市、北島三郎 (特別出演)/三四郎、美空ひばり (特別出演)/お甲
<こんなところに、あんな人>
虎五郎の子分衆の中に、木谷邦臣&平沢彰。 お甲に馬を譲ってほしいと頼まれるが断る農民に小峰さん (上から撮影しているので、話している声などは聞こえない)。
*敬称は略させていただいています。
柳生十兵衛 第1話 江戸城の熱血児
(脚本: 池上金男、監督: 野波静雄)
徳川家康により、3代将軍に定められている西の丸様こと徳川家光 (山本亘)。 その気性の荒さに、父・秀忠 (北沢彪) は不安を抱いており、次男の忠長 (坂口徹) の方が世継ぎにふさわしいのではないかと考えていた。 兄の家光こそ将軍の器と思う忠長は、自分が将軍になろうなどとは考えていなかったが、守役の鳥居土佐守成次 (内田朝雄) は、忠長を次期将軍の座につけようと暗躍する。 そんな折、市中に出て気ままに過ごしてみたいと言い出す家光に、側に仕える松平定信 (中山仁) は猛反対。 一方、いずれ将軍になるため、市中庶民の暮らしを見ることは無駄ではないとの考えを持つ柳生十兵衛 (山口崇) は、家光を城から連れ出し、財布を渡して市中に送り出してしまう。
***************
【所感】
ゲストがよかったので何話か先に観てしまっているが、そろそろちゃんと第1話から観ようじゃないかということになり、週末を使っての集中観賞。 前にも書いたが、何と言っても十兵衛 = 山口崇のかっこよさにクラクラしてしまう。 若いのに胆が据わっている様子から、サブタイトルの 「熱血児」 が今ひとつ合っていない気もするけど……。 この第1話では、まだ目に傷を負っていないので、そのイケメンぶりを堪能 (笑)。 などと浮かれているようだが、主役がかっこいいだけで面白いわけがない。 セミレギュラー、ゲストの顔ぶれも豪華、豪華。 十兵衛の父・柳生宗矩に特別出演として御大・片岡千恵蔵の名前があるだけでも、大いに観る価値あり。 家光の悪口を言う土佐守一派を諌めるシーンは、静かだからこそ誰も逆らえない威圧感と迫力があり、思わず見入ってしまった。
十兵衛の内弟子となる豪快な荒木又右衛門に緒形拳、家光の懐から財布を抜き取るスリ、空っ風の三九郎に田中邦衛……と個性派が揃い、これからどんな演技を見せてくれるのか楽しみ。
でも、まぁ、この第1話のハイライトは、十兵衛が城から連れ出した家光を市中に送り出すシーンだろう。 財布を渡して、「しばらくお暇します。 どうぞ、どこへなりと」 と言い出した時には、家光と一緒になって 「え?」 と驚いたが、あぁ、そうか、そう言っておいて影で見守るわけね……と思っていた。 いや、信じていた (^^;)
なので、家光を見送った後、墓参帰りの瑞代さんに会いに行っちゃった時には、本当に驚いたぞ! 案の定、このことが今後の十兵衛の生き方を大きく変える発端となるのだった……。
家光のような身分の人間が市中に出た時のお約束シーンとしては、茶店でお茶を出されて 「大儀」、飲んで吹き出し、「町の者はひどいものを飲んでいるんだな」。 ほかの客が食べている団子を見て 「あの串刺しを持て」 など。 この茶店として使われているのは京都、今宮神社の参道にある 「あぶり餅」 のお店 「いち和」。 少し巻き戻して確認してみたら、今宮神社の中にある橋から門を出て、いち和に入っていた。 自分でロケ地がわかったのは初めて!
レギュラー: 山口崇/柳生十兵衛、中山仁/松平信綱 (伊豆守)、永原和子/瑞代 (信綱の妹)、坂口徹/徳川忠長、緒形拳/荒木又右衛門、田中邦衛/空っ風の三九郎、片岡千恵蔵 (特別出演)/柳生宗矩 (但馬守)
ゲスト: 里見浩太朗/幡随院長兵衛、中谷一郎/奥平図書助、藤田弓子/りえ (長兵衛の妹)、内田朝雄/鳥居成次、北沢彪/徳川秀忠、三島雅夫/沢庵宗彭、国一太郎、有島淳平、大月正太郎、森源太郎、中井啓輔、小山田良樹、川谷拓三、小峰一男
<こんなところに、あんな人>
市中に出た家光が立ち寄った茶店で、りえに絡むやくざ者 (大鳥組) は、国一太郎、川谷拓三&福本清三。 福ちゃんだけクレジットがないのは、どういうわけだー。 城中で鳥居に 「家光が行方不明」 と報告に来る侍に小山田良樹。
*敬称は略させていただいています。
柳生十兵衛 第12話 ふたり十兵衛
(脚本: 高田宏治、監督: 大西卓夫)
旅の浪人・八雲七十郎 (山田吾一) は、人買いに追われる娘・お咲 (岩村百合子) を助けるため、思わず柳生十兵衛と名乗ってしまう。 お咲を家に送り届けた八雲は、財布をまるごと渡し、どんなに苦しくても身を売るようなことはしないように、と言い残して去る。 無一文のため、飯を食べさせてもらえないかと道場の門を叩く八雲だが、道場破りと勘違いされ、門前払いに合いそうになった時、またもや柳生十兵衛を名乗ってしまう。
***************
【所感】
にせ柳生十兵衛、現る! が、もともと悪気があったわけではない。 八雲七十郎、実は弱い。なので、何とか人買いから娘を助けようと、十兵衛の名前を借りてしまっただけのこと。 ちなみに、お咲を追っていた人買いの3人衆は小嵐甚五左 (汐路章)、水尾権三郎 (有川正治) + もう1人 (ごめんなさい、わからなかった……)。 小嵐は、お咲をかばう八雲に (ジャマすると) 「てめぇから先にやっちゃうぜー」 と迫る。 やっちゃう……って (^^;) おかしすぎです (笑)。
悪気はなかったけど、何だか道場を訪ねて名乗るだけで金がもらえる……ってんで、いい気になった八雲が、本物の十兵衛にも 「柳生十兵衛だ。 驚くのも無理はない、うんうん」 みたいな自己紹介をしてしまうのは、お約束。
旅の途中で知り合った大店の娘・小菊 (亀井光代) への八雲の恋、そして失恋も描きながら、しっかり下関の海産物問屋と番所頭の悪事も解決していって、飽きさせない展開だった。 八雲がにせ十兵衛とわかった時、本物の十兵衛の正体も明かされたのかどうか不明瞭だったし (八雲がいきなり十兵衛を 「大先生」 と呼んでいて、宿で自分のために掲げられた 「天下無双 柳生十兵衛大先生宿所」 の看板を抱えてるし)、最後に八雲がお常 (佐々木愛) といいムードになるってのも、ちょっと強引かなー。 でも全体としては楽しめたのでいい。
八雲がまだ 「十兵衛」 だった時、旅籠で隣の部屋にいた小菊たちに売りつけた扇子に 「柳生十兵衛 日本一」 と書かれているのが、何ともベタベタなんだが笑える。
八雲のキャラクターに引きずられてか、今日は十兵衛も何だか笑わせてくれた。 小菊の婿になる気はあるかと問われて、ちょっと困っちゃうシーンもよかったし、番所頭をはじめとする悪者どもを牢に押し込めるのも楽しかった。 「さ、入れ。 早く入れ」 と、牢番まで1人残らず入れちゃって、「そのうち毛利藩より沙汰があるだろう。 打首とか晒し首とか」 と言って、置いて行っちゃうんだもんなぁ。
……ひどいよ、それ (笑)。
ところで、今日の十兵衛の対戦相手、「名和」 文覚を演じるのが 「名和」 宏なのは……、シャレ?(^^;)
ゲスト: 佐々木愛/お常、亀井光代/小菊、名和宏/名和文覚 (もんがく)、高野真二/磐城宗兵衛、長島隆一/早板屋安次郎、岩村百合子/お咲、有川正治/水尾権三郎、汐路章/小嵐甚五左、伊藤弘一/儀助、神戸瓢介/嘉平、佐々五郎/金八、市川男女之助/伊之助、東竜子/お徳、平沢彰/門弟、畑中怜一/丑松、志茂山高也/門弟、川津清三郎/大潮屋多左衛門、山田吾一/八雲七十郎
<こんなところに、あんな人>
お咲を演じる岩村百合子は、もちろん 「しぃちゃん」 である。
「門弟」 としてクレジットありの平沢彰は、にせ十兵衛が最初に門を叩いた道場で応対。 もろに嫌そうな顔で追い返そうとしていたのが、「柳生十兵衛」 の名前を聞いて仰天、慌てて奥に下がり、次に出てきた時には、広げた扇子の上に金包みを乗せて差し出す。
*敬称は略させていただいています。
柳生十兵衛 第10話 黒竜の秘密
第10話 黒竜の秘密 (脚本: 高岩肇、監督: 河野寿一)
備後・尾道へやって来た十兵衛 (山口崇) は、怪しい一団に男が鉄砲で撃たれる現場を目撃する。 男から死に際に預かった竜の根付、その根付を取り戻しにくる謎の女 (土田早苗)、死んだ男が言い残したことはないか知りたがる代官所の役人・早瀬左門 (上杉高也) や男を襲った犯人たち……。 男の身元を知ることもないまま巻き込まれていく十兵衛だが、宿を訪ねてきた侍・太田数馬 (三上真一郎) から、殺されたのは兄の太田兵馬 (香月凉二) で、主命により隠密として竜造寺一族 (村上水軍の末裔で10数年前、瀬戸内の島を本拠に暴れていた海賊の残党) の本拠地を探っていたと聞かされた十兵衛は、無益な争いをやめさせようと、数馬とともに竜造寺一族を探ることにする。
***************
【所感】
柳生十兵衛を演じた役者といえば近衛十四郎、千葉真一が有名だが、この 「柳生十兵衛」 の主演は山口崇。 1970年に放映されたTVシリーズで、制作は東映・フジテレビ (カラー作品)。
いきなり10話から観ているのは、小田部通麿、香月凉二、波多野博がゲストとして名を連ねているから。 香月さん演じる太田兵馬は、冒頭でいきなり撃たれて、ひと言のセリフもなく死んでしまった……。 アップはあったけど、苦しそうだし (T_T)
その点、竜造寺一族の1人、金剛一角を演じた小田部さんは、かっこよかったぞー。 鎖鎌の使い手で、十兵衛との一騎打ちシーンが3回も! 対する十兵衛を演じる山口崇の美男子っぷりも見逃せない。 これこそがイケメンってやつよねー。 ちなみに十兵衛は、左目の上に傷はあるけど、おなじみ (と言っちゃっていいのかな) の眼帯はなし。
この番組、ちゃんと最初から観ていないので、クライマックスで代官所役人に囲まれた竜造寺一族を助けるため、代官の大庭主膳 (天王寺虎之助) を前に、「幕府大目付 柳生但馬がちょくし (って聞こえたんだけど、わからない。勅使じゃないしなぁ。嫡子の聞き違いか? それもしっくりこないんだけど……)、十兵衛三厳 (みつよし) だ!」 と名乗りを挙げたのには、ちょっとびっくり (笑)。 これって、長七郎みたいに毎回、お決まりで出てきちゃったりするのかしらね。
それにしても、フィルムの劣化で画質がひどいのが残念! これだけ色がひどいと、いっそ白黒の方が見やすいんじゃないだろうか。 何とかならないもんなのかな……。
<こんなところに、あんな人>
上述の波多野博は 「竜造寺一族」 としてクレジットされていたが、セリフはなし。 ノンクレジットだったが、同じ竜造寺一族の1人に平沢彰がいた。
*敬称は略させていただいています。