燃えよ万平
~ 時代劇鑑賞の記録と独り言 ~
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俺は用心棒 第25話 めおとの風
ご時勢で自らの進む道を定めなければならず慌てる各藩、まずは金が必要と領民から用立てようとする。 とある藩の郡代・大倉潮左ヱ門 (穂高稔) も、領内の庄屋・文左ヱ門 (沢村宗之助) を訪ねて金を要求する。 文左ヱ門は、懇意の役人・犬塚洋平 (織本順吉) と相談し、拠出金を少なく済ませるため、手伝いに来ていた茶屋の女房・おしん (柳川慶子) を郡代の 「接待役」 として差し出すことにする。
総司はお休み、野良犬&万平だんなの活躍。
おしんと利助 (田浦正己) が営む 「めおと茶屋」 で甘酒や漬物を褒めながら、仲むつまじい若夫婦を優しい目で見る万平だんな。 野良犬のだんなまで、出された酒の感想を聞かれて 「地酒にしては珍しく甘いな」 なんて言っていて、ほのぼのムード。 美人の女房が夜になっても庄屋屋敷から帰らないのに、万平だんなに 「郡代の夜の相手に選ばれないとも限らん」 と言われるまで、全く危機を感じない利助、ちょっとボケ?と思ったけど、彼らの日常ではそれが普通なのか。 庄屋がそんな鬼のようなことを考えていようとは夢にも思わない。
野良犬のだんなの助けで難を逃れ、逃走資金まで用意してもらい、新天地へ旅立つ夫婦。 万平&野良犬が 「うまくいったな」 と笑みを交わしてハッピーエンド……にはならないのね、やっぱり。 ひどいよ、結束先生…… (T_T) なぜ夫婦は命を落とさなければならなかったのか。 その方が2人にとって幸せだったという結論のもと、強引に解釈すれば、大きく変わっていく時代の中で、これまでのように世の中の流れとは無縁のまま、細々と茶店を営んで生きていくのは難しい。 とすれば、新しい土地での生活に希望を抱いている今が、夫婦にとって最上の時……ということなんだろうか。 でも、やっぱり悲しすぎるエンディングだった。
話のタネにめおと茶屋名物の甘酒を飲んだ万平だんなの 「うん、技あり!」、「1本取ってもいい」 との褒め言葉に、きょとんとしている利助が可愛い。 うん、確かにいきなり言われても何だかわからんだろうなぁ (笑)。
庄屋屋敷に乗り込んだ野良犬のだんな、「俺は茶店の店番だ」 との名乗り。
……って、店にいないじゃないのよ (^^;) この台詞を、いつもの調子で平然と言うあたりがステキ。 あの風体で茶店とか言ってるだけでも笑える。 万平だんなは、そんな野良のだんなを評して 「あのだんな、取引きには慣れている。 人間離れしておる。 なにしろ野良犬だからな」。 庄屋の女房を人質に取り、「二足三文で売り飛ばすぞ」 と言って100両せしめたことなら、あれは取引きではなく 「脅し」 と言うのではないかと……(^^;)
庄屋の言葉として語られる 「お上が将軍様だろうが天朝様だろうが、どっちだっていい」 が象徴的。 茶店の夫婦にとっても、それは同じだったろう。
ゲスト: 田浦正己/利助、織本順吉/犬塚洋平、穂高稔/大倉潮左ヱ門、脇中昭夫/宮下勘助、北見唯一/茶店の客、沢村宗之助/文左ヱ門、菅井きん/おこん (文左ヱ門の女房)、柳川慶子/おしん
*敬称は略させていただいています。
記録 - 俺は用心棒
俺は用心棒 第21話 おっかあの唄
(脚本: 結束信二、監督: 河野寿一)
女と逢引する東町与力・相島 (楠本健二) を狙う新太は、出会茶屋の前で獲物が出てくるのを待つ。 新太が吹く草笛に足を止める菓子屋の丁稚 (加賀爪清和) は、もう一度聴きたいから、と使いの帰りにまた寄る約束をする。 が、奉行所の手が回って新太が囲まれたところへ戻って来てしまった丁稚は、新太の知り合いと勘違いされ、番屋で責められた挙句、店から暇を出されてしまう。
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【所感】
ここのところ、品田万平不足が続いていたため、引っ張り出してきてしまった (笑)。 ホントは、用心棒シリーズで唯一のカラー作品、第19話の 「眞葛ヶ原にて待つ」 を観ようと思っていたのだが、いざディスクを入れてみたら、この話のゲストが加賀爪清和だったので、それも久しぶり……と、こっちを選ぶことにした。
長州の刺客で渡世人の新太 (中野誠也: サブレギュラー) が中心の話で、万平だんなの出番は少なめ……。 ま、そんな中でもいい味を出して笑わせてくれたけど! 総司がお休みだったのも淋しかったなぁ。
新太が吹く草笛のメロディが 「出雲のひえつき唄」 で、故郷の母を思い出した丁稚が新太に声をかけるのが、この話の始まり。 が、新太は、どう見ても吹いているように見えない! 少し頬を膨らませるだけでも違うと思うんだけど……。 ただ、葉っぱをくわえているだけだもんなぁ (^^;)
その新太、「うまくねぇ」 を連発していたが、万平だんなの 「うまくない」 には、かなわない……って感じかな。
完全文無しの野良犬 & 万平だんながねぐらにしている、お寺の荒れ果てた墓守小屋に逃げ込んだ新太。 匿ってもらった礼を……と財布を出すが、黙って受け取るわけにはいかないと断る万平だんな。 が、続いた言葉は、「どうしても寺に寄進したいと言うなら預かってやるぞ」 だった (笑)。 そして、ちゃんと小判を1枚頂戴するのであった。 相変わらずっていうか、さすがっていうか。 でも、やっぱり最初のシリーズってこともあってか、後半に比べて、まだ硬さが残っている感じがしたな。
……まぁ、後半がはじけすぎ、とも言うかもしれないが (笑)。
そうそう、忘れちゃならないのが、千造 = 小田部さん! どう見ても関係ないとわかる丁稚を、番屋でしつこく責める相島に、「この子は本当に知らない。わしら、長年の勘でわかります」 と助け舟を出す。 青木のだんなだって黙って見ているだけなのに (まぁ、上司には意見したくないわな)。 かっこいいぞ、千造!
ゲスト: 加賀爪清和/丁稚、真屋順子/お八重、吉田義夫/八重の父、楠本健二/与力・相島、井上繁 (← いつもと名前の字が違っていた)/相島の小者